この記事でわかること

  • バナーは小さくても固定工数があります
  • 基本料金に含める範囲を決めます
  • 最低受注料金を設定します
  • 複数枚・サイズ展開を計算します
  • 計算例で確認します
  • 追加料金を明記します

バナーは小さくても固定工数があります

バナーはLPやWebサイトより画面サイズが小さいため、制作料金も低く見られやすい制作物です。しかし、依頼確認、素材整理、構成検討、連絡、書き出し、請求といった固定作業は、制作物の大きさにかかわらず発生します。

デザイン作業が2時間でも、前後の作業に2時間かかれば、案件総工数は4時間です。制作時間だけで価格を決めると、実質時給が想定の半分になることがあります。

案件総工数 = 事前確認 + 構成・制作 + 修正 + 連絡 + 納品・事務

基本料金に含める範囲を決めます

同じ「バナー1枚」でも、提供範囲によって必要時間が変わります。見積もり前に、次の内容をご確認ください。

確認項目料金へ影響する内容
構成・コピー文言支給か、見出しや訴求の提案を含むか
素材写真支給か、選定・購入・切り抜きを含むか
デザイン案1案か、複数案から選択いただくか
サイズ1サイズか、媒体別の展開を含むか
修正無料回数と、修正の範囲
納期通常日程か、優先対応が必要か

料金表には「1枚○円」だけでなく、基本料金に含む内容を併記してください。顧客が比較しやすくなり、追加依頼の境界も明確になります。

最低受注料金を設定します

少額案件では、1件ごとの事務作業が利益を圧迫します。そのため、作業時間にかかわらず「最低受注料金」を設定する方法が有効です。

最低受注料金 = 最低案件時間 × 必要時間単価 + 必要経費
計算例

問い合わせから納品まで最低4時間、必要時間単価5,000円、有料素材費2,000円とすると、最低でも22,000円が必要です。利益率を20%確保する場合は、27,500円が計算上の目安になります。

(4時間 × 5,000円 + 2,000円)÷ 0.8 = 27,500円

最低受注料金が高く感じられる場合は、3枚セットや月次契約にして、事前確認や請求の固定工数を複数制作物へ分散する方法があります。

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複数枚・サイズ展開を計算します

2枚目以降を一律で半額にする必要はありません。割引できるのは、構成やデザインシステムを再利用できる範囲です。

複数制作を分けて考えます

  • 完全新規:構成・素材・デザインが異なるため、1枚目と近い工数になります。
  • 同一デザインのサイズ展開:レイアウト調整と確認時間を計上します。
  • 文言・画像差し替え:差し替え、バランス調整、書き出し時間を計上します。
  • シリーズ制作:初回にルールを作り、2枚目以降の短縮時間を反映します。

「基本デザイン1点+展開料金×枚数」という料金表にすると、顧客にも分かりやすくなります。

計算例で確認します

新規バナー1枚と、同一デザインの2サイズ展開を制作する例です。

新規デザイン5時間
サイズ展開各1時間 × 2点
連絡・納品1時間
必要時間単価5,000円
希望利益率20%
8時間 × 5,000円 ÷ 0.8 = 50,000円

料金表では「基本デザイン35,000円、サイズ展開7,500円×2点」など、作業内容が伝わる形に分けて表示する方法もあります。

追加料金を明記します

コピー・構成の提案
有料素材の購入・複雑な画像加工
当初依頼にないサイズ・媒体の追加
無料修正回数を超える修正
確定後の全面的な方向変更
即日・翌日などの優先対応

小さな追加作業でも、積み重なると大きな工数になります。金額だけでなく、追加料金が発生する条件を見積書へ明記してください。

本記事は、見積もりと価格設計を検討するための一般的な情報です。個別案件の市場価格、利益、成約または法的有効性を保証するものではございません。契約・税務上の重要事項は、必要に応じて専門家へご確認ください。