この記事でわかること

  • 必要時給は目標から逆算します
  • 勤務時間と売上作業時間を分けます
  • 必要月商を計算します
  • 実質時給を確認します
  • 計算例で単価を決めます
  • 時給を上げる4つの方法

必要時給は目標から逆算します

Webデザイナーの時給を決める際に、会社員の給与を時給換算した金額や、他者の料金だけを基準にすると、事業に必要な費用を回収できないことがあります。フリーランスや副業では、ソフト代、設備、営業、経理、学習、案件の空き期間もご自身で負担するためです。

必要時間単価は、毎月必要な金額を、顧客へ請求できる時間で割って計算します。

必要時間単価 = 必要月商 ÷ 月間の売上作業時間

勤務時間と売上作業時間を分けます

月160時間働いていても、そのすべてを案件の制作費として請求できるわけではありません。次の時間は事業に必要ですが、通常は顧客へ直接請求しにくい時間です。

集客、営業、商談、見積作成
経理、請求、入金確認、契約管理
ポートフォリオ更新、SNS、情報発信
学習、ツール検証、環境整備
案件間の空き時間、体調不良、休暇

必要時間単価を計算する際は、案件の制作・打ち合わせ・修正など、売上へ直接つながる時間だけを分母にします。

必要月商を計算します

必要月商には、生活費として受け取りたい報酬だけでなく、事業固定費や将来の支出への積立も含めます。

項目
希望報酬生活費や貯蓄として確保したい金額
事業固定費Adobe、Figma、クラウド、通信、会計ソフト等
税金・社会保険の積立納付時に不足しないよう確保する金額
設備・休暇・予備費PC更新、学習、休業に備える金額
必要月商 = 希望報酬 + 固定費 + 税等の積立 + 予備費

消費税や所得税の扱いは事業状況によって異なるため、具体的な税額は税理士等へご確認ください。ここでは、値付けに必要な資金を漏らさないことが目的です。

必要時間単価を自動で逆算できます

月間目標、売上作業時間、案件の実工数を入力するだけで、現在価格との不足額をご確認いただけます。

必要単価を無料診断する

実質時給を確認します

必要時間単価は目標となる単価です。対して実質時給は、現在の案件で実際に得られた金額を、実工数で割った結果です。

実質時給 =(受注価格 − 外注費 − 直接原価)÷ 案件総工数

案件総工数には、制作、修正、打ち合わせ、連絡、納品、請求を含めます。見積時の時間ではなく、実際にかかった時間で計算してください。

必要時間単価と実質時給の差が改善余地です必要時間単価が5,000円、現在の実質時給が3,000円であれば、価格、工数、提供範囲、修正条件のいずれかを見直す必要があります。

計算例で単価を決めます

希望報酬320,000円
事業固定費40,000円
税・設備等の積立40,000円
必要月商400,000円
月間の売上作業時間80時間
400,000円 ÷ 80時間 = 5,000円/時間

ある案件に制作30時間、修正5時間、連絡・打ち合わせ5時間、納品・事務2時間かかる場合、総工数は42時間です。直接原価がなく、利益率20%を確保するなら、計算上の価格は262,500円です。

42時間 × 5,000円 ÷ 0.8 = 262,500円

時給を上げる4つの方法

必要時間単価に届かない場合、値上げだけが解決策ではありません。次の4方向から改善できます。

価格を上げます:提供価値と条件を整理し、提示価格を見直します。
工数を減らします:ヒアリング、デザインシステム、テンプレート、確認手順を標準化します。
範囲を明確にします:修正、打ち合わせ、素材作成を無制限に含めないようにします。
単価の高い価値を増やします:構成、改善提案、成果につながる設計など、判断価値を明確にします。

毎月1回、案件別の実質時給を確認すると、どの案件種別や顧客条件で工数が膨らんでいるかを把握できます。

本記事は、見積もりと価格設計を検討するための一般的な情報です。個別案件の市場価格、利益、成約または法的有効性を保証するものではございません。契約・税務上の重要事項は、必要に応じて専門家へご確認ください。