この記事の要点

「デザイン制作一式」とだけ書くと、受注後に作業範囲が広がっても説明しにくくなります。見積書は金額の通知ではなく、どこまで対応するかを共有するための資料です。

「一式」でまとめると、あとから境界が消えます

見積書を急いでいると、つい「LPデザイン制作一式 100,000円」と書きたくなります。ただ、この書き方では、構成案、画像選定、スマートフォン版、打ち合わせ、修正、納品データのどこまでを含むのか分かりません。

お客様から見ると「制作に必要なことは全部入っている」と受け取れます。制作側は「そこまでは想定していなかった」と感じます。トラブルの原因は、価格より先に、範囲の認識がずれていることです。

見積書で守りたいのは金額だけではなく、作業範囲と判断の基準です。

見積書に最低限入れておきたい7項目

制作物と納品物
LPデザイン、PC・スマートフォン版、Figmaデータなどをご記載ください。
作業の内訳
要件整理、構成、デザイン、画像加工、修正、納品を分けます。
提案数と修正条件
初稿の案数、無料修正回数、追加料金の条件をご記載ください。
素材・原稿の条件
支給の有無と、原稿整理や素材選定を含むかを明示します。
納期と前提条件
素材受領日や確認期限によって納期が変わることをご記載ください。
支払条件
着手金、残金の支払時期、振込手数料の扱いを決めます。
有効期限・キャンセル
見積有効期限と、開始後の中止時の扱いをご記載ください。

10万円のLP案件を、見積項目へ分けてみます

合計金額を変えなくても、内訳を示すだけで説明力は変わります。例えば10万円の案件なら、次のように分けられます。

項目内容金額例
要件整理ヒアリング、資料確認、方向性整理15,000円
構成・情報設計掲載順、ワイヤー整理20,000円
デザイン制作PC版とスマートフォン版50,000円
修正・納品修正2回、データ整理15,000円

この内訳は相場表ではなく、説明の例です。実際の金額は、ご自身の必要時間単価と案件工数から決めます。

金額は「必要時間単価 × 案件の全時間」から始めます

見積金額の土台 = 必要時間単価 × 制作前後を含む総工数打ち合わせ、チャット、資料整理、修正、納品、請求まで含めて考えます。

月40万円の売上が必要で、請求できる作業時間が月80時間なら、必要時間単価は5,000円です。案件に40時間かかるなら、人件費の土台は20万円になります。外注費、短納期、追加提案などがあれば、ここへ足します。

「相場より高いか」だけでなく、「この条件で継続できるか」を確認すると、値付けの判断が安定します。

予算が合わないときは、作業範囲を一緒に調整します

金額だけを下げると、同じ作業を安く行うことになります。予算が合わない場合は、初稿案数、対応ページ、修正回数、打ち合わせ、納期のいずれかを調整します。

伝え方の例

ご予算に合わせ、初稿を1案、修正を1回までとする内容で再調整が可能です。現在の作業範囲を維持する場合は、当初のお見積金額でのご案内となります。

見積書が具体的であれば、「何を減らせば価格を下げられるか」も説明しやすくなります。

参考にした公開情報

各リンクは公開時点の参考情報です。料金や契約条件は、ご自身の業務内容と取引条件に合わせてご判断ください。

本記事は、見積もりと価格設計を検討するための一般的な情報です。個別案件の市場価格、利益、成約または法的有効性を保証するものではございません。契約・税務上の重要事項は、必要に応じて専門家へご確認ください。